清 酒  雑 学 入 門 
鳳 鳴
日本酒ミニ知識(5)



えっ、こんなことができるの?
 「あらっ、これ便利」「日本酒ってこんな使い方があったのね」・・・・・うま味や香りの成分をバランスよく含み臭みを抜く作用がある調理の魔術師・日本酒。素材をよりおいしくしたり、保存に一役買うなど、毎日の料理づくりに欠かせない存在です。知っているといないのでは大きく差がつく日本酒の賢い活用法をどうぞ。



●芯のあるごはんは日本酒で直す ●冷やごはん、冷凍ごはんもふっくら
 水加減の失敗などで、炊けたごはんに芯が残ったら、米4.5カップに対して、大さじ1杯の日本酒を振りかけ、よくかき混ぜてから再スイッチ。こうすると、芯が取れ、ほどよい水分を持ったおいしいごはんに。 これは2度炊きしたときの臭みを日本酒香気成分が抑えておいしく炊き上げるため。さらに糖がごはんに甘味を与えてくれるので、古いお米を炊くときにも効果的です。  冷やごはんを茶碗に入れ、日本酒を手でパパッと振りかけてレンジで加熱。これだけで炊きたてと同じふっくらごはんに仕上がります。凍ったごはんも同様にします。
●炊き込みごはん、雑炊、炒飯の仕上げに
 炊き込みごはんや雑炊、炒飯などは、仕上げに鍋肌から日本酒を回しかけます。すると風味がぐんと増してプロの味に。
●インスタント・ラーメンに日本酒 !? ●焼きそばに日本酒をひと振り
 インスタント・ラーメンがよりおいしくなるって知っていましたか。火を止める寸前におちょこ1杯の日本酒を入れます。アルコールの消臭作用が麺の油臭さを消し、アミノ酸やグルタミンソーダなど日本酒のうま味成分がスープの味にまろやかさをプラスして、とてもインスタントとは思えない一品に。カップラーメンに少量加えてもグッド。  人気メニューの焼そば。ひと味違うおいしさにと思ったら、麺を炒めてから、日本酒を少量振りかけます。こうすると麺がふっくらとしてきます。最後にソースを回しかければ、いつもよりランクアップした焼そばに。
●魚を焼くとき振りかけると味よく ●古い干物は酒を振りかけて焼く
 魚を焼くとき、塩を振る前に日本酒をひと振りしておくと、臭みがとれて、香りよく焼けます。冷凍の魚や魚介類を解凍したあとも日本酒を振りかけてから調理すると、冷凍庫の臭いもなくなり、おいしい魚に変身します。  ちょっと古くなり身が硬くなった干物は、日本酒に浸すか、日本酒を振りかけると、やわらかく、しかも干物独特の臭みもやわらぎます。古い干物は水分が少なく表面が乾いているため、霧吹きなどで日本酒をかけ、中火でじっくり仕上げると、焼き上がりふんわりです。
●生鮭は日本酒に漬けてから冷凍保存 ●エビの生臭みは日本酒で除いて
 生の鮭の切り身1切れに日本酒小さじ1、塩少々を振って20分ほど置き、水気を拭き取ってから1切れずつラップに包んで冷凍。これで2週間はおいしく保存できます。  エビは背わたと殻を取り除き、日本酒を振りかけて、水気を拭き取ってから冷凍庫へ。少量の湯に日本酒と塩をまぜてさっとボイルしてから冷凍しても。
●殻つきの貝は酒蒸しにしてから冷凍保存 ●うなぎの蒲焼も日本酒でぐんとおいしく
. 安いときにたくさん買ってしまった殻つきのあさりなどは、砂抜きをしたあと酒蒸しにし、冷めてから汁ごと冷凍すると、貝の持つ香りも閉じ込められ、うま味も逃しません。むき身の場合も酒蒸ししてから冷凍を。加熱することで、生で冷凍するより日持ちします。  買ってきた蒲焼が、時間がたって硬くなったときは、日本酒を入れた鍋を強火で沸騰させ、火をつけてアルコール分を飛ばします(煮切り酒)。この中に蒲焼を1分ほどつけてからタレをまぶせば、ホカホカのやわらかさが戻ります。
●残った鶏肉にはまず日本酒を振りかける ●酢のききすぎた料理をマイルドに
 鶏肉は傷みやすいので、すぐ料理しないのなら、日本酒を振りかけておきましょう。持ちもよくなり、味もよくなるので一石二鳥。鶏の酒蒸しもおすすめです。日本酒と塩を軽く振り、耐熱容器に入れて電子レンジでチン。臭みも消え、冷蔵庫内で1週間は保存できます。  酢の物やドレッシングに、ほんの少し日本酒を加えるだけで、酢の角が取れて、味がまろやかになります。塩や酢をきかせすぎてしまったというときも、慌てずに日本酒を入れると、味の修正にもなり、風味もよくなります。
●吸い物に日本酒を入れると美味 ●冷や奴にひと振りでコクが増す
 何だかちょっと味が足りないお吸い物と思ったら、日本酒を大さじ1〜2杯入れてみてください。たったこれだけのことで日本酒の風味とものかな甘味が加わり、おいしいお吸い物に変身します。もちろん味噌汁に入れても味がいっそう引き立ちます。  冷や奴を食べるとき、濃口醤油だけではちょっと風味に欠けると思ったら、日本酒を加えるとコクが増してワンランク上の味に。鍋で日本酒を沸かしてアルコール分を飛ばす「煮切り酒」にしたものを使って。
●日本酒たっぷりで美味しい豚しゃぶ ●日本酒で減塩即席漬けを
 豚のしゃぶしゃぶは、牛肉とは違ったおいしさがありますが、牛肉と同じやり方では豚肉のうま味を十分引き出せません。そこで、湯にたっぷりの日本酒を注ぎ、沸騰させてアルコール分を飛ばしたら、豚肉を入れます。これでうま味のある美味しい豚しゃぶに。 また、豚肉のすき焼き、豚肉の煮物などを作ってみると、日本酒の”裏わざ”ぶりがはっきりと分かります。  即席漬けに日本酒を加えると、風味もよくなり、塩の量が半分ですむのでとてもヘルシー。きゅうり100gを袋に入れ、ここに塩小さじ4分の1と、火にかけてアルコール分を飛ばした「煮きり酒」を適量入れます。袋のきゅうりをよくもんで一晩置けばできあがり。塩半分でOKなのは、日本酒が塩分の浸透を手助けしてくれるため。またアミノ酸、糖が甘さやうま味を増してくれます。
●硬くなったチーズもやわらかく ●梅干しづくりに日本酒が活躍
 冷蔵庫に置き忘れて硬くなったチーズ。でも大丈夫。チーズの表面に日本酒をひとはけ塗って2〜3分置くと、アルコールの成分がチーズの脂肪分を溶かすためほどよいやわらかさになり、風味もアップします。  おいしい梅干しづくりに日本酒は欠かせません。梅を土用干しにするとき、日本酒を霧吹きでスプレーします。梅のつやがよくなり味に深みが増します。日本酒のアルコール分がカビを防いでくれるので、塩分は少なめにしても大丈夫です。
日本酒造組合中央会発刊「料理の魔術師 日本酒 活用テクニック」より
       

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