| ●お酒を飲むと赤くなる現象 |
お酒を飲むと顔や体が赤くなることをフラッシングと言い、そうなる人をフラッシャー、赤くならない人をノンフラッシャーと呼びます。典型的なフラッシャーは、少しのお酒でも必ず赤くなり、それも早い時間で赤くなります。また自分自身でもほおや耳たぶが熱いのを感じます。多くの場合、脈が速くなりどうきを伴います。強度フラッシャーの場合、頭痛、発汗、めまい、眠気などを訴えます。これに対し軽度フラッシャーは、お酒を飲んでも必ずしも赤くならず、現れてもほんのり桜色程度で、他の症状を伴いません。
日本人のフラッシング経験者は、強度・軽度を合わせると約60%以上にも達します。欧米の白人やアフリカ黒人、インド人、アラブ人では、0〜3%ほどしかフラッシング経験者はいません。日本人以外では、韓国および朝鮮人、中国人、ベトナム人、インドネシア人、タイ人、蒙古人などの東部アジア系民族が人口に占めるフラッシャーの割合が高い統計が出ています。 |
| ●フラッシングの原因 |
お酒を飲んで赤くなるのは、飲んだお酒の種類には関係なく、アルコール自身に原因があり、先天性の体質で遺伝するとされています。
アルコールは、まず第1段階でアルコール脱水素酵素によりアセトアルデヒドに変わります。次の第2段階では、そのアセトアルデヒドがアセトアルデヒド脱水素酵素の影響で酢酸にかわります。このアセトアルデヒド脱水素酵素が正常か欠落があるかでフラッシングがおこるかどうかが決定されると言われています。酵素に欠落がなければアセトアルデヒドから酢酸への移行は極めて早く、体内にアセトアルデヒドがたまることはありませんが、異常酵素の場合は酢酸への転換が遅れてアセトアルデヒドが体内に蓄積することになります。このアセトアルデヒドが血管を拡張する作用を引き起こすことから顔が赤くなります。同時に頭痛・頻脈・血圧下降をも引き起こします。 |
| ●フラッシングの影響 |
強度フラッシングは少し飲むだけで赤くなり、やがて頻脈とどうきで苦しくなるから大量には飲めません。つまり“お酒に弱い人”に属します。軽度フラッシャーは、赤くなりながらもある程度は飲むことができます。しかし、ノンフラッシャーの“お酒に強い人”ほどには大酒に耐えられる人は少ないようです。
フラッシャーはお酒を飲めば、早かれ遅かれ顔が赤くなるのですから、仕事中にこっそり飲んだり、昼食時に一杯というわけにはいきません。お酒の席でも、飲みすぎると気分が悪くなりやすいので、大酒は避け控えめになります。これはある意味では本人の健康には良いことだと言えます。日本人にアルコール依存症が欧米人に比べて少ないことにも影響しているようです。 |